歯周病の進行を停止させるためには、まずプラークをできる限り取り除き(プラーク・コントロール)、歯周病原菌を少なくさせなくてはなりません。
同時に患者さんの局所的、全身的な危険因子を取り除いたり、改善することによって、生体の防御力を強めることも必要です。
毎日の生活リズムを規則正しく、ストレスの少ない生活環境をつくることも大切です。
ストレスが多いと唾液の分泌量が減少し、その結果、唾液中の免疫物質S-IgAが十分働かなくなるからです。十分な唾液の分泌は、う蝕や歯周病の予防に重要な役割を果たし、口腔の健康の維持増進に大きく影響します。
S-IgAは口腔という局所免疫に関与していますが、全身的な免疫システムが生体の防御という役割を担っているのです。
◇ 歯周病の危険因子
局 所 的 因 子 |
全 身 的 因 子 |
●歯の形態●歯列の中の歯の位置(歯根の近接●歯周組織の形態●咬合関係(咬合の異常や咬合習癖)
●歯科医原性の治療 ●唾液腺の状態 ●口呼吸 ●プラーク中の病原菌 ●口腔衛生の状態(コンプライアンス) |
●遺伝的疾患●内科的疾患(糖尿病など)●ウイルス性疾患●ホルモンの分泌異常
●精神的ストレス ●喫煙、多量の飲酒 ●薬剤の服用による副作用 ●加齢(防御機構の減弱) |
◆口腔と全身は密接に関係し合っています。