床矯正(予防矯正)を始めた理由
歯科医師としてさまざまな治療をするうちに、「既に虫歯になった歯の治療」は、虫歯の原因となっている、様々な要因に対してのアプローチかなければ患者さんの本当の健康はないということに気が付きました。
ある程度それらの治療に習熟したあとは、虫歯の予防や正しい咬み合わせなどに取り組んできましたが、どんなに予防や食生活などを改善しても、虫歯になり易い歯並びや不正な咬み合わせがあっては、根本的な予防は難しいと感ずるようになりました。
しかしながら、私たちが学生時代に学んだ矯正治療というのは、乳歯が永久歯に生え変わるのを待って、それから歯を移動するためのスペースを作るために永久歯を抜いて、ワイヤーやブラケットと呼ばれる歯の表面に接着させる金属の装置で治療するというものでした。
その治療方法は、どちらかという矯正治療の専門医が行うもので、臨床医が誰でも出来るという治療方法ではありませんでした。
ですから、私が歯医者になったすぐの頃は「まだ乳歯ですから様子を見ましょう」と説明したり、矯正治療の専門医を紹介したりの繰り返しでした。
学校や塾、部活などの関係や予算的な関係で、結果的に軽度の歯並びのズレの場合は経過観察となるケースが多く、そういう子供達の中には自然に正常な歯並びに成長していくケースとそうでないケースとがありました。
後者の場合でも子供たちは、一生懸命に虫歯予防に通ってきますが、中にはますます歯並びが悪くなっていくケースも現れます。
せっかく虫歯を予防出来たのに、結局は中学生くらいになってから歯を抜いて矯正するということはとても悲しいことに思われてなりませんでした。
何もせずに、ただ悪くなっていく歯並びをただ見るだけでよいのだろうか?
自然に正しい歯並びをに誘導するのも予防歯科ではないのだろうか?
そう思い始めて、何か良い方法はない者かと試行錯誤の毎日が続きました。
そしてある時、床矯正治療を専門になさっている鈴木先生と花田先生に出会うことができ、予防矯正、床矯正という治療方法にたどり着くことが出来ました。
この治療方法は、子供達に対するストレスや費用の面からも、お母さんが「うちの子の歯並びがヘンかな?」と思った時が治療開始のタイミングですと言えるほど始めやすい治療方法です。
実際、当院では永久歯の前歯が生えそろった7歳ぐらいから治療開始する子が一番多いです。
受け口やアゴがずれているなど顔の成長に大きな影響を与えるようなケースは4歳ぐらいから治療開始することもありますので、お子様の歯並びに心配がある場合は、まずはご相談頂ければと思います。