歯周病の成否はコンプライアンス(医療受容度)に大きく左右されます。歯周病のような慢性疾患の治療が成功するかどうかは、患者さんが術者側の指示を正しく守るかどうか否かにあります。
これをコンプライアンス(医療受容の度合い)といいます。
生命をおびやかすような疾病や激しい痛みのある急性症状の場合には、コンプライアンスは高くなります。しかし、慢性疾患の場合には、継続的に長期間にわたってコンプライアンスを高めていくことは至難の業です。
歯科治療によって得られた口腔内の健康状態を維持し、疾病の再発を防止するためには、定期的で適切なプロフェッショナル・プラークコントロールの実施が不可欠です。
老化と歯周病の関係は?
大人数の集団を調査すると、高齢者ほど重度の歯周病になっていることがわかります。そのことから、老化を歯周病の危険因子ととらえる見方があります。老化によって体力、生殖力、新陳代謝はすべて衰退に向かうことは確かですが、口腔内組織も例外ではありません。感染症にかかりやすくなりますので、口腔内では病原菌の活動性が強まると考えられます。
ただ、個人差が非常に大きく、口腔衛生が良好に保たれていれば、加齢は歯周病の危険因子としてさほど重要ではないという報告もあります。