感染防止対策~歯科外来診療環境体制加算って知っている?

歯科医院や病院では多くの患者さんが来院されます。歯科治療では、唾液や血液など感染の原因となるものが多く存在します。では、歯科での感染防止対策はどのように行われているのでしょうか。

歯科のイメージ

滅菌・消毒はあたりまえ!

感染防止のための基本は、滅菌・消毒です。滅菌できる器具は高圧滅菌機などで滅菌にかけて感染防止を心がけています。

また、滅菌できないような器具は、専用の薬液で消毒しています。紙コップなどの使い捨てのディスポーザブルのものを使って、使用後は廃棄するのも感染防止のためでもあります。

歯科外来診療環境体制加算って何?

歯科外来診療環境体制加算とは、治療時の偶発症などの緊急時の対応及び感染症対策としての装置・器具の設置など総合的な歯科医療環境が整っていて、国の基準を満たすことで認定されるものです。

歯科外来診療環境体制加算の施設基準とはどのようなもの?

歯科外来診療環境体制加算の施設基準とは分かりやすく言うと厚生労働省の指定した安全基準のことです。
地方社会保険事務局長に届け出をして、安全で安心できる歯科医療環境が整っていないと施設基準をクリアすることができません。

施設基準にはどのようなものがあるの?

安全対策などの所定の研修を修了した歯科医師が1名以上いること、歯科衛生士が1名以上いること、AEDなどの緊急時に対応できる医療器具がそろっていることなどがあります。

ではそれ以外の施設基準を詳しく説明していきます。

別の保険医療機関と連帯がとれること

歯科治療では、誤嚥、誤飲、アナフィラキシーショックなど緊急事態が起こる可能性があります。緊急事態が起きたとき、応急的な対応はできても、その後の連携が取れていなければ意味がありません。届け出を出す際にも、連携医療機関名や搬送方法などを記入しなければなりません。

感染防止の徹底

歯科にかかわらず医療の分野では感染の危険性が多く存在します。冒頭でもお話ししたように、器具や医療機器は患者ごとに交換または洗浄、滅菌を徹底し感染防止に努めます。

口腔外バキュームの設置

施設基準の中には、歯科用吸引装置等により歯科ユニット毎に歯牙の切削や義歯の調整、被せ物の調整時等に飛散する細かな物質を吸収できる環境を確保することとあります。

歯を削っているときや、義歯や被せ物を調整する時は目には見えない細かな粒子が舞っています。そのため口腔外バキュームを設置し感染防止に努めます。

安全対策を行っているということを院内に掲示

医療機関の見えやすいところに感染防止対策を行っている旨や、緊急時の連携保険医療機関の連携方法、その時の対応などを院内に掲示しなければいけません。

患者さんだけでなく働くスタッフも安心できる環境づくり

患者さんの安全はもちろんですが、働いているスタッフも感染しないように注意しなければなりません。患者さんが安心して治療できる、スタッフが安心して診療できる環境づくりのために安全対策や感染防止対策をしっかり行っていくことが重要です。

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